九十九里の海をまもる会など4団体、首都圏CCSの回答に見解 「住民との対話」「環境調査」など4点を指摘

九十九里の海をまもる会、気候変動を考える東京湾の会、FoE Japan、気候ネットワークの4団体は10月5日、首都圏CCS株式会社(MCCS)に対し、同社が9月18日に公表した公開質問状への回答について見解を示した。

4団体は9月、九十九里沖で行われているCCS(二酸化炭素回収・貯留)の試掘について、事故の検証や環境への影響、住民との対話など11項目からなる公開質問状をMCCSに提出していた。

MCCSは9月18日、11項目について回答を公表した。

今回の文書で4団体は、MCCSがすべての質問に回答したことについて「貴社の真摯な態度を感じました」と評価。一方で、公開質問状を提出した時期に試掘が再開されたことや、回答内容について「非常に残念な思いをいたしております」として、主に4点から見解を示した。

住民との「対話」が不十分と指摘

1点目として4団体は、MCCSが地域住民とのコミュニケーションを重視するとして、コミュニケーションセンター「うみとみらい」の設置や広報紙の配布などを行っている一方、これらは一方向の情報提供であり、団体側が求める「対話」とは異なると指摘した。

また、事故後の試掘再開に際して住民との公開の協議の場が設けられていないことなどを挙げ、住民との対話が十分ではないとの認識を示した。

事故前後の環境調査について指摘

2点目として、4団体は事故や試掘による環境への影響を検証するための情報が不足していると指摘した。

MCCSは9月18日の回答で、7月と8月にハマグリを含む貝類の打ち上げを確認したものの、貝類や魚類の打ち上げと試掘作業、燃料油流出事案との因果関係を示す情報は確認されていないとしていた。

これに対し4団体は、事故後に迅速な水質調査や生物調査が行われていなければ因果関係を検出することは困難だとして、環境影響を判断するための情報が不足しているとの見方を示した。

「地域住民の安全と環境は後回し」と批判

3点目として4団体は、MCCSの安全管理について、作業上の安全管理が中心となっており、地域住民の安全や周辺環境への視点が不足していると批判した。

文書では、事故翌日に地元サーファーが海水を飲んだ後に体調不良となったとの情報などを挙げ、事故発生について海岸で十分な周知が行われていなかったと指摘。事故発生時の地域への情報提供のあり方について改善を求めている。

なお、文書ではサーファーの体調不良について、燃料油との因果関係を示しているわけではなく、魚介類の腐敗による二次的な影響の可能性にも言及している。

情報公開の拡大を要求

4点目として、4団体はMCCSが「保安上の機微情報」や関係事業者の機密情報などを理由として公開していない情報があることを問題視した。

事故の詳細や地層に関する情報などについて、自治体など一部の関係者だけでなく、広く市民が議論できるよう情報を公開するよう求めた。

4団体は、事業に伴うリスクについて住民が議論できる環境を整えた上で、プロジェクトを受け入れるかどうかを住民自身が判断できるようにすることを求めている。

4団体が公表した文書の全文はこちら

関連記事