
首都圏CCS株式会社(MCCS)は9月18日、環境NGO「FoE Japan」などから提出されていた首都圏CCS事業に関する公開質問状への回答を公表した。
公開質問状では、九十九里沖で行われている試掘をめぐり、8月に発生した燃料油流出事故や掘削設備での発火、環境影響評価、ハマグリの打ち上げ、生活排水などについて質問。試掘作業の停止や第三者による事故検証、環境・社会面の評価資料の全面公開などを求めていた。
これに対しMCCSは、8月29日に発生した掘削設備の発火について、原因調査と再発防止策を実施し、関係機関への報告などを経て9月6日に作業を再開したと説明した。
事故原因について独立した第三者機関による検証を行う予定はないとする一方、原因調査や再発防止策の検討には、船舶管理会社、検査機関、機器メーカー、掘削会社などの知見を活用したとしている。
■試掘前に環境調査、「環境管理計画」も策定
環境影響についてMCCSは、試掘開始前から、海底地形、地質構造、海洋環境などについて、作業開始前の環境の状態を把握するための調査を実施したと回答した。
そのうえで自主的な環境社会影響評価を実施し、「評価結果に基づいて環境管理計画を策定」したとしている。
環境・社会面の評価資料などの全面公開については、保安上の機微情報や関係事業者の機密情報が含まれる場合があるとして、すべてを公開することは難しいとの考えを示した。
■「7月以来ハマグリ不漁」は確認せず
九十九里浜で確認されたハマグリなどの貝類の打ち上げについて、MCCSは7月から8月にかけて打ち上げが発生したことを認め、社員による現地巡視も行ったと説明した。
一方、公開質問状が前提としていた「7月以来ハマグリの不漁が続いている」との状況については、地元漁業関係者への聞き取りでは5月から6月と比較して操業実態や漁獲状況に大きな変化は認められず、そのような状況は確認していないと回答した。
試掘作業と貝類の打ち上げとの関係についても、現時点で因果関係を示す情報は確認されていないとしている。
■生活排水は月1回検査 海上への油処理剤散布は否定
掘削リグからの生活排水については、有害物質について月1回検査を行い、一般排水基準への適合を確認していると説明した。
また、千葉県水産総合研究センターが7月27日に片貝沖で測定したデータについて、過去4年間のデータと比較して溶存酸素量(DO)や化学的酸素要求量(COD)に著しい変化は確認されていないとした。
8月22日の燃料油流出事故については、海上に流出した油に油処理剤を散布した事実はないと回答。船上の洗浄には油処理剤を使用したものの、洗浄液は吸着マットなどで回収し、陸揚げして廃棄したとしている。
■公開協議の開催は「決定していない」
FoE Japanなどが求めた住民や専門家との公開協議について、MCCSは「現時点で公開の協議の場として開催を決定しているものはありません」と回答した。
一方で、これまで住民説明会や意見交換、個別面談などを行ってきたほか、今後も地域との対話を続けるとしている。
今回の回答では、試掘前に環境調査と自主的な環境社会影響評価を行い、その結果に基づく「環境管理計画」を策定していたことなどが明らかになった。
MCCSが公表した公開質問状への回答全文は、同社ウェブサイトで確認できる。
