
4月12日、山武市長選挙が告示された。各陣営が熱を帯びる中、数字に基づく冷静な現状分析と、具体的でロジカルな処方箋を淡々と語りかけていたのが、元市議で無所属新人の鈴木健太郎氏(59)だ。
千葉銀行で33年間、貸付審査や地方創生などの実務に携わってきたという異色の経歴を持つ同氏 。街頭演説でも、その「金融と経営のプロフェッショナル」としての知見が前面に押し出されていた。
■ 銀行マンの視点「山武市は売上250億、債務200億の会社」
鈴木氏の現状認識は極めてシビアだ。「山武市の歳入が約250億なのに対し、債務が200億ある。企業で言えば、売上250億の会社が200億の債務を持っている状態だ」と指摘 。公債費(借金返済)の比率が高まれば「資金ショートを起こし、必要な行政サービスが提供できなくなる」と、銀行員ならではの視点で市の財政硬直化に強い警鐘を鳴らした 。 その上で、自主財源の確保策として「ふるさと納税の倍増(3億から6億へ)」や「税金の未納・滞納の徴収率改善」を掲げ 、自らが「トップセールスマンとして先頭に立つ」と宣言した。
■ ポテンシャルを解き放つ成長戦略 一方で、単なる緊縮財政には陥らない。
鈴木氏は街頭で、山武市の未来について「ポテンシャルを解き放つ時だ」と語りかけた 。「圏央道の全面開通」や「成田空港の機能強化」というチャンスを活かし 、首都圏への通勤圏としての魅力や、海・川などの自然素材をベースにしたリゾート地域としての価値を高めると主張 。子育て世代の移住・定住を積極的に推進する成長戦略を提示した。
■ 医療と暮らしへのミクロなアプローチ
マクロな財政・経済政策だけでなく、市民生活に直結するミクロな提案も光る。産婦人科が休止しているさんむ医療センター問題については、「助産師の待遇改善による早期採用」や「親御さん同士の不安を解消する広場の開設」などを提示 。また、買い物弱者対策として、現在行われている「移動スーパー」の販売ルート拡大を支援し、高齢者の見守り機能としても活用していく考えを示した。
銀行マン出身の鈴木氏の実務能力と論理的思考。この合理的なアプローチが、選挙戦を通じて市民の感情とどう折り合い、支持を広げていくのかが注目される。