
4月12日、いよいよ山武市長選挙が告示された。市内各所で候補者たちが第一声を上げる中、マイクを握りしめ、既存の政治システムに対する「変革」を熱く訴えていたのが、無所属新人の小川豊氏(52)だ。 自動車修理業を営みながら、配偶者と死別後にシングルファザーとして5人の子どもを育て上げてきた小川氏 。街頭での訴えの端々には、市民としての切実な思いと、現場から見た市政への強烈な危機感が滲み出ていた。
■ 「日本人の子どもを増やす」への徹底フォーカス
小川氏の主張の核は、人口減少への強烈な危機感である。「山武市は毎年900人減っているのに、使うお金は人口に関係なくほぼ同じ。これをおかしいと思わないのか」と、これまでの箱物偏重行政を痛烈に批判。「日本人の子どもを増やす環境づくりを最優先にする」と断言した。 給食費の無償化や多様な学び場の創設などを一気に進め、「子どもが増えれば活気が戻り、新しい仕事が生まれ、税収も増える」という、子育て支援を最大の経済対策と位置付ける独自のビジョンを街頭で訴えかけた。
■ 徹底した「しがらみの排除」と身を切る改革
小川氏の最大の武器は、既存の組織や団体に一切依存しない「しがらみのなさ」だ。「特定の地区、特定の団体の代表ではない。誰に遠慮することもなく、真っ直ぐに届ける」と宣言。さらに、具体的な身を切る改革として「市長退職金4年で2000万円を廃止する。議員の政務活動費4年で1296万円を廃止する」と明言し、集まった有権者の関心を惹きつけていた。
■ ユニークなの農業政策「市による農地買い上げ」
特に取材中、耳を引いたのは大胆な農業政策だ。荒れ果てた耕作放棄地に対し、小川氏は「市が責任を持って引き取り、市民みんなの農場に変える」と提案する。「ベテラン農家の知恵と技術を市が買い、若い世代に教える。空いた時間に主婦や職人が手伝い、そこで採れた米や野菜を給食やふるさと納税の返礼品にする」という、コミュニティ再生と農業を掛け合わせた独自のアイデアを披露した。
既存の政治システムに対する強烈な変革のエネルギーを持つ小川氏。告示日初日のこの熱量が、投票に行かなかった「沈黙の多数派」をどこまで動かせるかが、今回の選挙戦の最大の焦点となる。