【編集長コラム】ちば自民党はなぜ説明を拒んだのか──「高市総理」とは別の顔

「公職選挙法」と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。

正直に言えば、あまり身近な法律ではないかもしれません。

ですが、この法律は、皆さんの「1票」を守るための非常に大切な法律なのです。

  • 有権者にお金や物を渡してはいけない。
  • 選挙期間中以外の選挙活動は禁止。

そうしたルールがあるのは、選挙を公平にするためです。

そして実は、年賀状や御香典、ポスターや看板の大きさまで、細かく決められています。

なぜそこまで厳しく決めるのか。

それは、選挙が民主主義の土台だからです。

同じ条件で戦わなければ、お金のある人、声の大きい人ばかりが有利になります。

だからこそ、公職選挙法は議員や首長だけでなく、政治家を目指す人にとっても「最優先で守るべきルール」なのです。

ところが、4月の山武市長選挙に立候補の意向を表明した、県会議員の小野崎正喜氏は、公職選挙法で定められたサイズをオーバーした看板を設置していたことが確認されました。

山武ジャーナルがこの件を報じた後、一時足を切って縦30センチオーバーの状態は是正されましたが、横幅6センチオーバーの状態は放置されたまま再掲示されました。

その後、最終的に看板は撤去されましたが、Googleストリートビューを見ると、この公選法違反状態の看板は、少なくとも2019年5月から継続的に設置されていたこと確認できます。

Googleストリートビューより引用

*Googleストリートビューより引用

「看板くらい大きくてもいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

でも、ルールはルールです。スポーツでいえば、ラインを踏んだらアウト。それと同じです。

今回問題になったのは、政治活動用の看板が、そのルールで決められたサイズを超えていたことです。

条文ははっきりしています。数字も明確です。解釈が分かれるようなあいまいな話ではありません。

これが単なるミスなのか、軽い認識不足なのか。

そこは議論があるかもしれません。

しかし、もっと大事な問題があります。

小野崎県議は来る4月の山武市長選挙では、自民党千葉県連の「推薦」を受けている、という点です。

政党の「推薦」とは何でしょうか。

それは、「この人を私たちは支持します」と、党が公式に保証する、いわば「お墨付き」です。

自民党千葉県連が推薦する候補予定者に法令違反があったなら、「本人の問題です」で終わらせることはできません。

保証した側にも、説明する責任があるからです。

そこで山武ジャーナルは、県連に質問しました。

  • 違反を把握しているのか
  • 事実確認をするのか
  • 推薦判断をどう考えるのか

どれも難しい質問ではありません。

しかし返ってきた答えは、「回答しません」でした。

これは、とても重い対応です。

説明をしないということは、「問題ないと考えている」と受け止められても仕方がないからです。

ここで考えてほしいのは、看板の高さそのものよりも、「ルールに向き合う姿勢」です。

選挙のルールは、民主主義を守るためのものです。

それを守る立場の政党が、違反の指摘に対して説明を拒む。

これでは、有権者は何を信じればいいのでしょうか。

最近、自民党は「信頼回復」や「ガバナンス強化」といった言葉をよく使います。

国政レベルでは、コンプライアンスの重要性が繰り返し語られています。

では、地方組織はどうでしょうか。

中央で掲げている理念が、本当に地方まで徹底されているのか。

今回の対応を見る限り、疑問が残ります。

「地元の小さな問題」と片付けることは簡単です。

しかし、公職選挙法は小さな問題ではありません。民主主義の根幹をなす選挙の土台そのものだからです。

推薦を出した以上、その候補者の行動は、党の問題でもあります。

もし問題があれば説明する。間違いがあれば正す。

それができなければ、推薦という制度は形だけのものになってしまいます。

今回の件で問われているのは、一人の政治家の看板ではありません。

  • 「ルールを守る気があるのか」
  • 「説明する気があるのか」

その姿勢です。

市民の皆さんには、今後少なくとも4年間山武市の市政を預ける市長として、どのような人物はふさわしいのか、投票日までぜひ考えてみください。

選挙は、好き嫌いだけで決めるものではありません。ましてや、誰かに頼まれて行くものでもありません。

法律を守れない人に、山武市政を任せられるのか。

その人を推薦した党は、その責任を果たしているのか。

少なくとも私には、明文化された条文に違反する状態が指摘されているにもかかわらず説明を拒む自民党千葉県連=ちば自民党の姿勢は、「高市総理のもとで再生する自民党」というイメージとは、あまりにもかけ離れているように映りました。

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