
「安全な立場を捨ててでも、市政を変える」──”市政刷新”の覚悟
山武市長選への立候補を表明している鈴木健太郎市議。
成東高校から日大法学部に進み、そのまま千葉銀行に入行。
銀行員時代には、渉外や融資審査といった通常業務以外にも、現在のインターネットバンキングサービスの源流で、当時は時代の最先端だった携帯電話のiモードを活用した資金決済手段の研究開発といった企画部門にも携わった経歴を持つ同氏は、「市政刷新」を掲げ、具体的な政策とともに、自らの立場を大きく変える決断を下した。
その一連の判断の背景には、どんな考えがあったのか、話を聞いた。
「中にいても変えられない」
——記者会見の時に自民党所属と伺いましたが、その後、自民党を離党された理由について教えてください。
鈴木氏:
個人や党そのものを否定するつもりはありません。
ただ、実際に活動する中で、意思決定のスピードや、市民との距離感に違和感を持つようになりました。
現場で見えている課題と、組織の論理で決まっていく方向にズレがある。
その状態で「中にいれば変えられるのか」と考えた時に、正直、それは難しいと判断しました。
市長は、党派に属することよる党利党略や政治的なしがらみを超えて、市民全体の奉仕者であるべきです。
「無駄な選挙は避けるべき」
——市議の自動失職という選択については?
鈴木氏:
当初は、自ら辞職して立候補するつもりでした。
その方が筋としては分かりやすいと考えていたからです。
ただ、状況を見ていく中で、私の辞職で市議の補欠選挙が行われることが、市民にとって有益かどうかを考えるようになりました。
補欠選挙となれば、当然ながら経費として税金が使われますし、当選した議員の任期も一年となります。
それを考えた時に、形式としての筋よりも、市民への影響を最小限にすることを優先すべきと判断しました。
また、市政20周年の節目に現職議員として議会に属し、政治活動を展開できることは、議員活動に足を踏み入れた私にとって重要な局面と考えました。
年度末は、市政で問題や課題となっている事項の多くが、単年度のまとめとして詳らかに報告される傾向にあると考え、市長を目指す立場からも、精度の高い情報を得るためには職に留まる必要があると思いました。
「チャンスは来ている。問題は活かせるかどうか」
——政策についても聞かせてください。
鈴木氏:
圏央道の全線開通は、山武市にとって大きなチャンスです。
成田空港へのアクセス、物流、観光、すべてに影響する。圏央道のインターチェンジを軸足としたインフラ整備を見直すことが必須です。
ただ、道路ができただけでは意味がない。
それをどう活かすかで、地域の未来は変わります。
「人を呼び込む戦略が必要」
鈴木氏:
人口減少の中でも、地方には戦い方があります。
山武市は立地的にポテンシャルがある。
だからこそ、
・働く場所
・住環境
・子育て環境
これを一体で整えて、移住・定住につなげていく必要があります。
言葉は悪いですが、首都圏から人を奪いたい、シフトしたいと考えています。
東京近郊に住宅を買い求めるには、億単位の費用がかかります。
色々な点で東京近郊に住むことに疲れた人々、伸び伸びと子育てをしたい世代をどう呼び込むかが鍵です。圏央道の開通、成田国際空港の機能強化は、絶好の機会です。
「農業は“守る”から“攻める”へ」
鈴木氏:
基幹産業である農業も、守るだけでは持たない。
付加価値、販路、担い手。
この3つを軸に、攻めの支援に変えていきます。
「財政はごまかせない」
——「市長給与20%カット」という方針を打ち出していますが。
鈴木氏:
まず前提として、山武市の財政は厳しい。資金繰りにも影響していることは明白です。
これは感覚ではなく、厳然とした数字の問題です。
だとしても、市長の給与カットだけで財政が良くなるわけではありません。
本当にやるべきなのは、歳出全体の見直しと、事業の優先順位の整理です。
これまで当たり前と思われていた市民サービスが、一時的に低下することもあるかもしれません。市民に市民サービス低下の負担をお願いするなら、まず自分の責任を明確にする必要がある。
市長給与の20%カットは、その意思表示です。
「課題は先送りしない」
——小松浜地先ほかの残土問題については?
鈴木氏:
小松地区をはじめ、市民の不安に直結する問題です。
環境、安全、行政への信頼。
すべてに関わる。
だからこそ、早期解決に向けて動くと同時に、同じ問題を繰り返さない仕組みを作る必要があります。
コンプライアンスとガバナンスを、いま一度しっかりと構築する必要があると思います。
「市長は“誰でもいい”ではない」
——最後に、有権者に伝えたいことは?
鈴木氏:
市長の判断は、生活に直結します。
税金の使い道も、ルールも、方向性も変わる。
それなのに、短期間の選挙期間で、人となりをよく知らないまま選ばれることも少なくない。
それは、正直怖いことです。
だからこそ、市民の皆様には、各候補予定者をしっかりと見極めて、判断していただきたいと思います。