山武市小松の市有地に、周辺住民に十分な説明がなされないまま大量の土砂が運び込まれた問題で、山武市はマスコミをシャットアウトして住民説明会を行うなど火消しに余念がない様相だが、そんな中で山武ジャーナルは独自に現地調査を行った。
現地は小松浜にほど近い最近新たに作られた市道のすぐ脇で、道路からもすぐに目についた。千葉日報によると約22,000平方メートル=約2.2町歩に約55,000立方メートルの土砂が運び込まれたという。
積み上げられた土砂にはプラステック片、ビニル片、ガラス片、木片、ガラス片、陶器片などの「ゴミ」が相当に含まれており、表層部だけでも数分のあいだにこれだけの「ゴミ」を確認することができた。
千葉県地域環境保全課は「土砂」
山武ジャーナルはこのような様子からこれが「廃棄物の山」であると考え、これらのゴミを拾い集めて千葉県山武地域振興事務所地域環境保全課に持ち込み、見解を聞いた。
すると、現地を確認したという同課担当者は「これらは『土砂』であり、ゴミの含有は許容範囲」との見解を示した。
また、これらの「廃棄物」が産業廃棄物であるかどうかの見解については、「出どころが事業活動であるか特定できなければ産業廃棄物かどうか判断できない」とのことであるが、55,000立方メートルの山を見てもこれが事業活動以外で発生したものではないと言い張ることができるのであろうか。
山武ジャーナルは拾い集めたゴミを見ても頑なに「土砂」と言い張る担当者の態度に、何かの裏があるように感じた。
同課は千葉県のウェブサイト上でこのような注意喚起を行い、産後湯廃棄物や残土の不法投棄の相談や通報窓口まで公開していながら、このような態度には強烈な違和感を覚えた。
狙われています!あなたの土地
産業廃棄物の不法投棄については、人家の少ない場所や監視の行き届かない場所をはじめ、人家の多い市街地や海岸部でも行われています。土地の定期的な見回りや看板・柵の設置等で、できる限りご用心ください。
また、「無料で窪地を平坦にしてあげます。」「いずれいい堆肥になるから古い畳を置かせてください。」「資材置場につかわせてください。」などと持ちかけられ、土地を提供したところ「コンクリートの破片などで埋め立てられ耕作できなくなった。元に戻すのに莫大な費用がかかった。」「コンクリートの破片や廃プラスチック、家屋を解体した木くずが置かれたままになり、利用者と連絡が取れなくなった」などという事例もあるため、十分注意してください。
山武市は「調査中」の一点張り
山武市環境課にもこれらの「ゴミ」を持ち込んだが、「県が『土砂』と言っているので土砂。すべては現在調査中」と、何を聞いても「調査中」の一点張りで具体的な返答は全く得られなかった。
一般競争入札を行わず、随意契約でこれらの「土砂」を持ち込ませた業者もすでに特定されているが、それを聞いても「調査中」としか返答しない。
県と市が「土砂」と言い張っているものが「ゴミ」だった場合、処理に莫大な費用が発生する可能性があるが、その際誰の責任になるのか?という問いに対しても、「調査中」という返答しかなかった。
議会は百条委員会を設置して徹底的に調査せよ
このように県、市とも問題の本質を隠そうとしているとしか考えられない対応である以上、山武市議会は強力な調査権限を有する百条委員会を設置して徹底的に調査する必要がある案件であるのは明白だが、市長派である最大会派の新政会と公明党は調査委員会設置に消極的な模様。
この問題が単に市有地に残土が過剰に搬入されたのではなく、産業廃棄物が持ち込まれていたとすれば、その処理は山武市民の税金で賄うことになる。
山武市議会議員選挙は今年4月に実施されたばかりであるが、山武市民は自分が投票した議員がこの問題についてどんな態度を示したかをよく見ておいて、次回の選挙の際の投票行動に生かす必要がありそうだ。