山武市小中学校統廃合問題、嘉瀬教育長の答弁に矛盾

成東中スライドショウ

山武市教育委員会は平成28年1月に「山武市立小中学校の規模適正化・適正配置基本計画(案)〜夢を抱き たくましく生きる力を育むために〜」というパンフレットを市内全域に配布した。このパンフレットによれば

1.平成27年2月:今後の学校規模の適正化と適正配置のあり方について基本的な考え方を取りまとめた「山武市立小中学校の規模適正化・的再配置基本方針【素案】を策定

2.平成27年11月:この基本方針について、保護者、地域の皆様を対象に「意見を聴く会」、各園・小中学校ごとに「説明会」を開催し、基本方針を【成案】に

3.意見交換等の結果を踏まえ、「山武市立小中学校の規模適正化・適正配置基本計画(案)」を策定

と記載されている。

教育委員会チラシ

 

教育委員会チラシ2

ところが、ここに示された前期計画のうちの一つ、「成東中学校成東東中学校を統合し、統合後の学校の位置は成東東中学校とする」という計画は、この【基本計画(案)】で初めて提示されたもので、【素案】、【成案】では、いずれも両中学校の統合が望ましいとしながらも、統合後の学校の位置については言及されていなかった。

教育委員会の説明によれば、【成案】の策定が平成27年11月で、【基本計画(案)】の発表が平成28年1月なので、「成東中学校を閉校」という重大な決定がその2ヶ月の間にどの様に行われたのかという疑問が発生する。

このことについて、山武市議会議員八角公二氏が議会レポート発行した。

八角公二議会レポート平成28年4月号

八角議員のレポートによれば、この疑問に対して嘉瀬尚男教育長

成東中学校の閉校は)平成26年4月から平成27年3月20日までに行われた(市長部局との)協議会で決定した。

と、驚くべき答弁を行った。

情報を整理すると、

・【素案】策定が平成27年2月

  → 平成27年3月の協議会で成東中閉校が決定

・意見を聴く会、説明会を開催し、保護者や地域住民との意見交換を行い、平成27年11月に【成案】策定

  ↑ 成東中成東東中統合後の学校の位置については言及せず

・【基本計画(案)】が平成27年12月に議会で示される

・平成28年1月に上記パンフレットが配布され、その後【基本計画(案)】が教育委員会鍵で議決

となる。

つまり、嘉瀬教育長の答弁は教育委員会が配布したパンフレットの内容と明らかに矛盾しており、議会答弁が正しいとすれば

1.成東中学校閉校は、市長部局と教育委員会で決定した。

2.平成27年3月20日以降の「意見を聴く会」「説明会」は、「成東中学校閉校」という重大な情報を示さずに開催した。

ということになる。

これでは「意見を聴く会」は「意見を聴いたふり会」、「説明会」は「説明したふり会」ではないだろうか。

さらに八角レポートでは、平成27年3月18日の教育委員会会議において、渡邊聡前教育部長が

「教育委員会としては、成東中学校については残存し建て替え、成東東中学校につ いては、適正規模を図っていく方向性で考えている。」

平成27年3月18日教育委員会会議

(15ページ参照)

と報告していることも指摘している。

それならば、成東中学校閉校という重大事項が、平成27年3月18日から20日までのたった2日で決定されたことになる。

これらを総合すると、

市の中心で特急停車駅である成東駅に最も近い成東中学校の閉校が、市長部局と教育委員会との間でたった2日で決定した。

ということになる。

 

小筆が痛烈に批判した椎名千収市長の「地方自治の基本姿勢」がどのようなものか、改めて紹介したい。

1.市政の最終判断を下すのは市民

2.判断の結果責任は市民に帰する

3.判断を下せる市民には条件があり、それは「知識」と「情報」

(平成26年6月議会での発言)

山武市議会インターネット録画中継

山武市議会会議録(12番の発言を選択)

山武ジャーナル記事:椎名市長の所信表明が憲法違反な件

このような考え方は非常に危険であり、我が国の民主主義のありかたと相容れないという批判は置いておくとしても、今回の成東中学校閉校決定のプロセスは、椎名市長自身のポリシーと完全に矛盾している。

・「市政の最終判断を下すのは市民」といいながら、成東中閉校は市長部局の強い意志で決定した。(教育委員会では2日前まで成東中は存続と説明している)

・「判断を下せる市民には条件があり、それは『知識』と『情報』」といいながら、すでに決定していた成東中閉校という「情報」を隠して「意見を聴く会」「説明会」を開催した。

「FM(ファシリティー・マネージメント)の考え方で統廃合を進めたい」という椎名市長にとって、中学校といえども単に市役所や保健所といった行政機関の建物の一つに過ぎないのかも知れない。

しかし、多くの市民にとって「学校」とはそのようなものなのだろうか。

同じ学び舎で学んだ仲間は、何十年たっても強い絆で結ばれている。そうして結ばれた絆がしっかりと地域の絆として根付いていく。

【基本計画(案)】によれば、合併の目的は、小学校は複式学級(異なる学年の子供が同じ学級で学ぶ)の解消、中学校は複数学級維持というのが主なもののようであるが、そのために学校をこうも簡単に閉校してしまうのが果たして地域や市にとって良いことなのか疑問である。

パンフレットに示された前期計画の予算規模は約40億円。これにスクールバスの運行経費などがさらに加算されるという。

「FM(ファシリティー・マネージメント)」などといいながら、松尾小学校については仮校舎を建設して建て替えをするという。子供が少なくて合併するという話しなら、校舎建て替えの間に仮校舎として使える学校は他にないのだろうか。

それでいて

「判断の結果責任は市民に帰する」

という話に、多くの山武市民は納得できるのだろうか。

 

山武市の小中学校統廃合問題については、今後も山武ジャーナルで取り上げていきたい。