
経済産業省は9月1日、令和9年度予算の概算要求を公表し、二酸化炭素を回収して地下に貯留するCCS関連事業として、101億円を要求した。
対象となるのは、「先進的CCS支援及び国内外での貯留適地調査事業」。経済産業省は、2030年までのCCS事業開始に向け、二酸化炭素の回収から輸送、貯留までを一体的に行う先進的CCS事業を支援している。
首都圏CCS株式会社が九十九里沖で進めているCCS事業も、経済産業省が選定した「先進的CCS事業」の一つに位置付けられている。同社は、首都圏の工場などから排出される二酸化炭素を回収し、パイプラインで千葉県内を経由して九十九里沖まで輸送した上で、海底下に貯留する計画を進めている。
今回の101億円は、首都圏CCSだけに充てられる金額ではない。先進的CCS事業への支援に加え、国内外における二酸化炭素の貯留適地調査なども含まれており、現時点で首都圏CCSへの配分額は明らかになっていない。
また、概算要求は各省庁が翌年度予算として必要と考える金額を示す段階のものであり、今後の政府内での査定や国会審議を経て、最終的な予算額が決まる。要求額どおりに成立するとは限らない。
首都圏CCSをめぐっては、九十九里沖での試掘作業中に燃料油の流出や発電設備の発火事案が発生しており、現在は掘削作業が中断されている。
一方、今回の概算要求からは、こうした事案が発生した後も、国がCCSを重要な脱炭素政策の一つとして位置付け、関連事業への支援を継続する方針であることがうかがえる。
今後は、101億円の内訳や、先進的CCS事業ごとの支援額、国費によってどの程度の負担が見込まれるのかが焦点となる。
経済産業省は、概算要求の資料でCCSを2050年カーボンニュートラル実現に向けた重要な選択肢の一つと説明している。
