山武市、外国人19人の住民登録を抹消

山武市、外国人19人の住民登録を抹消

山武市は令和3年7月30日、居住実態がないなどとしてスリランカ籍と見られる外国人19人の住民登録を消除した。

住民登録を消除された外国人は、山武市大木470番地1に在籍していた5人と、山武市大木473番地108に在籍していた14人の計19人。

一つの住所に大勢の住民登録があり、かつ郵便物不達など居住実態がなく、特に悪質なケースとして山武市が消除の判断したもの。

この19名の消除を受け、8月2日付の山武市におけるスリランカ人の住民登録は、500人の大台を割り込み、前月から18人減の492人となった。

山武市告示 個人情報のため氏名と生年月日の一部にぼかしを入れた。

山武市内の法人の15%は外国人経営企業?

山武ジャーナルは、今回山武市が住民票を消除した外国人の住所を尋ねた。

山武市大木470番地1と見られる建物
山武市大木470番地1と見られる建物
山武市大木473番地と見られる建物
山武市大木473番地とみられる建物

どちらもアパートのような集合住宅の様相で、ところどころ洗濯物が干してあるなど生活感は見られるものの、日中に人影はなかった。

470番地1の「FUJI LANKA株式会社」という看板に、携帯電話の番号が記載されていたため、電話による取材を行った所、電話に出た相手の外国人は「自分は八街に住んでいて、その場所はオフィスでたまに寄る。その住所に住んでいるスリランカ人は知らない」との回答だった。

この住所を国税庁の法人番号検索サイトで検索すると、以下の法人が登録されていることがわかる。

FUJI LANKA株式会社 千葉県山武市大木470番地1
有限会社呑舟 千葉県山武市大木470番地1
ワイアンドワイトレーディング

Y&Y TRADING合同会社

千葉県山武市大木470-1-1
INZAM AUTO TRADING合同会社 千葉県山武市大木470-1-2
トヨランカトレーディング

TOYO LANKA TRADING合同会社

千葉県山武市大木473-1
シャーマトレーディング

SHAMA TRADING合同会社

千葉県山武市大木473-1-1
エクソントレーディング

AXON TRADING合同会社

千葉県山武市大木473-1-1
マジェスティックトレーディング

MAJESTIC TRADING合同会社

千葉県山武市大木473番地1-2
シャヒドオートトレーディング

SHAHID AUTO TRADING合同会社

千葉県山武市大木473番1-2
サムスントレーディング

SAMSUN TRADING合同会社

千葉県山武市大木473-1-3
ディーエイチエスエンタープライゼス

D.H.S ENTERPRISES合同会社

千葉県山武市大木473-1-3
ワイムバトレーディング

WAYMBA TRADING合同会社

千葉県山武市大木473-1-4
エムジエーエムブラドーズ

M・J・M・BROTHERS

千葉県山武市大木473-1-4 国外 スリランカ民主社会主義共和国、NO.28/4クルゴダロード、パンゴッラマダ、アクラナ
ザイナオートトレーデイングプライベートリミテツド

ZAINA AUTO TRADING PRIVATE LTD

千葉県山武市大木473-1-4 国外 スリランカ民主社会主義共和国、キャンディー、アクラナ、クルンダガハエラ129/1
MIHIN.LANKA.JAPAN.TRADING合同会社 千葉県山武市大木473-1-5
シヤフニランカホールデイングスプライベートリミテツド

SHAFNI LANKA HOLDINGS PVT LTD.

千葉県山武市大木473-1-5 国外 スリランカ民主社会主義共和国・バドグーア・カサワッタ432/2
GoalWay株式会社 千葉県山武市大木473番地105
合同会社LLOYDS 千葉県山武市大木473番地106
リーハーモータース

REEHA MORTORS合同会社

千葉県山武市大木473-108
エスティーオートトレーディング

S.T AUTO TRADING合同会社

千葉県山武市大木473番108
リヤランカトレードホールデイングスプライベートリミテツド

LIYA LANKA TRADE HOLDINGS PVT LTD

千葉県山武市大木473-108-1 国外 スリランカ民主社会主義共和国、6/7、ダンウフィラロード、アクラナ

国税庁法人番号公表サイトより

この様に、同一住所に多数の住民登録がされているだけでなく、明らかに外国人経営とみられる合同会社や、スリランカ企業の日本法人など、無数の法人が登記されている実態も明らかとなった。

同サイトに登録されている山武市内の法人は2,133件。

うち、外国企業の日本法人と外国人経営と思われる法人は300を超える。

つまり、山武市の法人のうち、およそ15%は外国人経営企業になっているのが実態だ。

しかし、これらの法人が本当に営業しているのか、単に「経営・管理ビザ」を取得するためのペーパーカンパニーであるのか、実態の把握は困難を極める。

そして、住民票を消除されたスリランカ人達の行方はわからない。

椎名前市長と中野元副市長が始めたスリランカの五輪事前キャンプ招致事業によって、山武市は取り返しの付かない問題を抱え込んでしまったのかもしれない。