平成26年5月8日の毎日新聞千葉版で、さんむ医療センターにおける死亡事故のニュースが掲載された。ローカルニュース故かネット版にはアップされた形跡はなく、市内の毎日新聞販売数は数百部と推定されるため、このニュースはほとんどの市民の目に触れることはなかった。
鎮痛剤過剰投与後に死亡 さんむ医療センター女性がん患者 先月上旬
山武市が出資する地方独立行政法人が運営する総合病院「さんむ医療センター」で4月上旬、入院中のがん患者の女性(74)が鎮痛剤の投与後死亡していたことが分かった。市は1日付けで椎名千収市長名で「医療事故が発生したとセンターから報告があった」とする文書を関係者に配布した。
市関係者などによると、死亡した女性は末期のがん患者。4月2日に千葉大附属病院から、センターの緩和ケア病棟に移った。しかし、同8日に病状が悪化したため鎮痛剤を投与したが、改善せず、医師は投与量を増やすよう指示。女性は翌日死亡したが、死因は今のところ特定されていないという。市の報告は「コミュニケーションの行き違いにより過量投与があった」としている。
センターは2010年、国保成東病院の解散後、市を設立団体として開院。市は今年度の当初予算に約3億5500万円を負担金として計上している。市健康支援課は「病院から(詳細な)報告はないので現段階ではコメントできない」としている。【荻野公一】
平成26年5月8日付け毎日新聞千葉版より引用
この記事を元に時系列で事実関係をまとめると以下のようになる。
1.死亡した女性患者は平成26年4月2日に千葉大附属病院からさんむ医療センターに転院
2.4月8日に患者の病状が悪化し鎮痛剤を投与するが改善せず投与量を増やすよう指示
3.4月9日に患者死亡
4.5月1日に椎名千収市長名で「医療事故が発生したとセンターから報告があった」とする文書を関係者に配布
ここで明らかに不自然なのが、事故発生から椎名市長が報告文書を配布するまで実に3週間もの時間を要したことだ。
拙筆がこのニュースを知ったのは新聞報道から1週間以上後のことであるが、それは拙筆自身がさんむ医療センターで外科手術を受けるのが決まった正にその日のことだった。
不自然な3週間のタイムラグや、重大なニュースであるにもかかわらず毎日新聞以外で報道されない不気味さが気になったことに加え、自分自身に直接かかわることにもなる問題であるため、本格的に調べてみようと思っていた矢先、病状が急変したためそのままさんむ医療センターに入院することになってしまった。
図らずも数週間の間、入院患者として直接さんむ医療センターの中を見る機会を得たわけだが、さんむ医療センターは患者の目から見て決して悪い病院ではなかった。
非番のはずの医師が回診に来くるのも一度や二度のことではなかったし、理事長や院長も週に何度も病棟を回って直接患者を診ていた。担当医師の技術も確かで、腹腔鏡手術のお陰で術後の経過は極めて良好だった。
看護スタッフも長時間の激務にも関わらず終始親切な対応だった。
拙筆がこの問題を広く市民に知らしめようと考えるのは、決して医療スタッフや病院を批判するためではない。
問題とするのは山武市の情報隠蔽体質である。
以後、拙筆がこの問題について山武市に対して情報開示請求を行った顛末について順次アップしていく。
末筆となるが、亡くなった患者のご冥福を心よりお祈り申し上げる。