山武ジャーナルは平成29年10月23日、椎名千収山武市長の学歴詐称問題について山武市議会宛に百条委員会設置および椎名市長に対する辞職勧告決議または問責決議などを求める陳情書を提出した。
山武ジャーナルはこれまで椎名市長に対して再三に渡り事実確認を申し入れたが、椎名市長は回答を拒絶されているため、議会に対して真偽の確認を求め、同時に議会に対して市長辞職勧告等の決議を求めることとした。
百条委員会とは地方議会が設置することが出来る調査のための特別委委員会で、ここで証言を拒んだり偽証した場合は禁錮刑を含む罰則が適用される。
学歴を詐称して市民を欺いてきた椎名市長に対し、市民の代表である市議会がどの様な対応するか注目される。
陳情書内容は以下の通りである。
平成29年10月23日
山武市議会議長 越川 哲 殿
椎名市長の学歴詐称に係る百条委員会設置および
辞職勧告決議・問責決議等市長の解職を求める陳情書
陳情の主旨
1,椎名市長が平成18年4月の山武市長選挙に係る選挙公報を始め、後援会チラシ等に記載したプロフィール「パリ大学政経人文学部卒業(経済学修士)」および、山武市ホームページに掲載した学歴「パリ大学1経済学部卒業」について、百条委員会を設置して真偽を確認することを求める。
2.上記学歴が詐称と確認された場合、辞職勧告決議、問責決議等の適切な対応を求める。
3.以上、議会定例会開催日程に関わらず、早急に対応することを求める。
陳情の理由
以下の事実により、椎名市長の「経済学修士」が詐称であることが明らかとなった。
1.フランスの高等教育制度において「修士」が追加されたのは2002年以降であり、椎名市長がパリ大学を卒業したとする1977年(昭和52年)当時、フランスの学位制度において「修士」という学位そのものが存在しないことを確認した。
2.フランスの学位制度に詳しい広島大学の大場淳教授に、椎名市長が開示した「学位証」と称する書面を送付して照会したところ、「修士ではない」との回答を得た。
また、以下の理由により、「パリ大学卒業」についても極めて疑わしい。
1.フランスの高等教育制度において、一定の教育課程の修了を証明する証書は、国の認証を受けた「国家免状」と、大学が独自裁量で発行する「大学証書」に分けられるが、大学の学位や称号の授与権は国が独占しているため「大学卒業=学士号授与」には「国家免状」が発行される。しかし、椎名市長の開示した「学位証」は「国家免状」ではなく、パリ第一大学が発行し署名者が事務局長のものであることから、学位・称号の授与を伴わない「大学証書」の類であると見られ、「卒業=学位取得」を証する正式な学位証とは認められない。
2.陳情者が9月4日に「市長への手紙」で、「国家免状」の有無、取得した学位の種類について質問したところ、椎名市長は回答を拒絶した。
選挙公報に虚偽の学歴を記載することは、公職選挙法第235条1項「虚偽事項公表罪」にあたり、これに違反すると2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金のほか、公職選挙法第251条の定めにより当選が無効となるが、平成18年の選挙公報についてはすでに公訴時効が成立している。しかし、嘘の経歴で市民を欺いて選挙で当選した事実は道義上許されるものではなく、学歴詐称が明らかになってなお椎名氏が山武市長の座に就いていることは極めて不適当であり、市民の代表たる山武市議会におかれては厳正な対応を望むものである。
添付資料
・平成18年4月23日発行選挙公報
・後援会リーフレット(平成22年)
・後援会リーフレット(平成26年)
・「学位と大学」(独)大学評価・学位授与機構
*95~96ページの記述
・椎名市長が開示した「学位証」
・広島大学大場淳教授のメール
・「諸外国の高等教育分野における質保証システムの需要」(独)大学評価・学位授与機構
*4ページの記述