学歴詐称の指摘に対して沈黙を続ける椎名千収山武市長に対して、山武市議会は提出された複数の陳情を受ける形で追及の構えを見せ始めている。
【椎名市長学歴詐称】議会で追及の動き(山武ジャーナル:平成29年11月21日)
地方自治は国会議員の中から首相を指名する議院内閣制と異なり、首長と議員をそれぞれ有権者が選挙で選出する二元代表制で、予算、人事を始め多くの権限が集中する首長に対し、議会にはそれらの監視機能が求められているが、山武市においては椎名市長の多選の弊害で議会が健全に機能できない状況にあることが懸念されている。
椎名市長は平成26年7月の広報さんむにおいて
「首長を社長、議会を取締役と置き換え(中略)むしろ、取締役会の意見を汲み取って、経営判断を下していく」
と述べており、市民から根強い批判のある山武市のハコモノ行政は、単に建設土木業者の利益だけではなく、用地買収から指定管理者選定なども含めて地域選出の市議会議員に対する間接的な利益供与となり、椎名市長と一部市議会議員との間には一定の互恵関係が形成され、これによって山武市議会の行政監視機能は無力化されていると指摘する関係者は少なくない。
百条委員会とは
百条委委員会とは地方議会が設置できる調査特別委員会で、地方自治法第100条に定められていることから「百条委員会」と呼ばれている。
百条委員会は強い調査権を持ち、特別な理由がなく出頭や資料の提出を拒否すれば、禁錮刑を含む罰則が規定されている。
さらに、百条委員会で虚偽の陳述を行えば、5年以下の禁錮刑とさらに厳しい罰則が規定されている。
山武市議会は百条委員会を設置して徹底究明を
選挙で当選するために学歴を詐称して市民を欺き、それが発覚しても沈黙を続ける椎名市長を糾すためには、百条委員会で徹底した事実確認が必要ではないだろうか。
椎名市長が議会で虚偽答弁を行ったのは山武ジャーナルでも指摘したが、椎名市長の嘘はそれだけに留まらず、ある関係者は「椎名市長は明らかに嘘でも丁寧に説明するから、最後には丸め込まれてしまう」と証言している。
椎名千収山武市長、議会本会議で虚偽答弁。千葉日報記事「事実でない」(山武ジャーナル:平成28年10月15日)
椎名市長の平素の言動に嘘が多いとしても、嘘が発覚すれば禁錮刑となる百条委員会はそれ相応のプレッシャーになるだろう。
百条委員会設置の判断は閉会日の12月12日に行われる見通しだが、採決にあたっては各議員が賛否をどう示すかにも注目する必要がありそうだ。
山武市議会には市民代表として健全に行政監視機能を発揮することが期待されている。