【疑惑の新聞折込数】広報さんむの新聞折込、3月で終了

【疑惑の新聞折込数】広報さんむの新聞折込、3月で終了

山武市の広報誌「広報さんむ」の配布が、令和3年4月より新聞折込からシルバー人材センターによる全戸ポスティングに変更されることが、広報さんむ令和3年2月号で明らかとなった。

広報さんむ令和3年2月号より

山武市市民自治支援課によると、配布方法変更の理由は、新聞購読率、自治会組織率がともに低下している中、新聞折込や回覧板ではなく、ポスティングによる配布が多くの市民に広報を届ける方法として最適と判断したとのこと。

これまで山武ジャーナルが指摘してきた、山武市新聞折込組合(代表:齋藤逸朗)による申告数水増し疑惑については、配布方法を変更する切っ掛けの一つになっていることは認めた。

山武市内でポスティングを行う体制を持つ民間業者がないため、業務はシルバー人材センターが受け持つ。

シルバー人材センターでは約2万世帯の山武市を200弱のエリアに分け、会員が一つまたは複数のエリアを担当する予定。配布漏れなどのクレームが発生しないよう万全の準備を進めている。

同様に新聞折込で配布されてきた議会だよりについても、シルバー人材センターによる配布に切り替える予定。

しかし、選挙広報については選挙日程の都合上、ポスティングでは時間的に無理があり、引き続き新聞折込組合を通じて新聞折込を継続するという。

終わらない折込数水増し問題

この表は平成27年に実施された国勢調査による山武市各地域の世帯数と、当時山武市新聞折込組合から山武市に申告された折込数を、山武市公文書開示条例に基づいて開示された公文書を元にまとめたものである。

世帯数は住民基本台帳をベースに市役所が毎月更新するものと、5年に1度実施される国勢調査によるものがある。

住民基本台帳の数字はあくまで住民登録に基づくものであるため、住民登録だけして遠隔地に居住していたりする住民もカウントされるのに対し、国勢調査は調査員が1軒1軒訪問して調査票を配布・回収しているため、より居住実態に近い数字と言える。

平成27年10月折込数.numbersのサムネイル

これを見れば山武市新聞折込組合が、世帯数を上回る折込数を申告していた実態が分かる。

中でも蓮沼地区・松尾地区については、全世帯数4,790世帯に対して折込が6,335部と、世帯数に対して1,545部超過している。これは蓮沼と松尾地区の全世帯がいずれかの一般紙を購読し、かつ3割以上の世帯が2紙以上購読しているということになるが、それが如何に現実的でないのは誰の目のから見ても明らかだ。しかも、山武市が新聞折込組合に提示した「『広報さんむ』新聞折込業務仕様書」によれば、「各販売店において1戸で2紙以上購読している場合は、いずれか1紙の折込とする」と明記されているので、例えば読売販売店で読売、日経、千葉日報の3紙を購読している世帯があった場合でも、折込む広報は1部のみになる。であるならば、その条件も2店以上の販売店と契約している世帯が全世帯の3割以上でなければならず、より非現実的である。

また、山武市外の販売店が山武市内に配達しているとする数が、販売店によってその店舗数の1割から4割近くもあることも極めて不自然である。例えば、YC富里店は広報さんむの折込数は現時点でも500部となっているが、ABC協会が認定する同店の折込数は1,350部で、実に37%が隣町の山武市に配達されていることになる。同様にASA八街中央店はABC協会認定部数4,050部に対して15%に当たる600部が、折込組合代表の齋藤逸朗氏が経営するYC横芝光も現時点でABC協会認定部数2,750部に対して11%に当たる300部が山武市内配達分とされている。

新聞販売店の受け持ちエリアは必ずしも市町村の境界と一致していないが、山武地区には読売、朝日とも正規の販売店が有り、毎日、産経、日経、千葉日報、東京新聞まで取り扱いがあるにも関わらず、山武地区全世帯数6,305世帯の26%にあたる1,650部が市外販売店によって配達されているとは俄に信じ難い。

この中で唯一折込数が世帯数を上回っていない成東地区についても、読売新聞が全世帯数の約5割、毎日新聞が朝日新聞の3割増しという状況は如何にも不自然である。

平成27年当時の千葉県の占有率は読売30%、朝日18%、毎日7%で、これをそれぞれ成東地区に当てはめてみると、読売:2,507部、朝日:1,505部、毎日:585部となり、各店とも千葉日報や日経新聞などの取り扱いがあるとしても、読売新聞販売店の(有)齋藤ニュースサービスと、毎日むろい新聞店の数字は首を傾げざるをえない。

この数字は(有)齋藤ニュースサービスと(有)齋藤新聞店の代表で、山武市新聞折尾込み組合代表の齋藤逸朗氏が毎月取りまとめ、山武市に申告しているものである。

齋藤逸朗氏が経営するYC成東・(有)齋藤ニュースサービスでは、配達されなかった新聞が県外ナンバーの古紙回収車に積み込まれたり、配送トラックから荷降ろしされた当日配達分の新聞が大量に店頭に取り残されていたりする現場が確認されており、少なくとも同店においては「残紙」と呼ばれる配達されない新聞が相当数存在すると見られている。

山武市は新聞折込組合との間で、広報さんむ1部あたり20.35円で折込契約を結んいるが、配達されない新聞が存在すれば、その部数に対する折込料金は不正な支出であり、納品された広報さんむが配達されずに闇から闇に古紙として処理されているとすれば、その分の印刷費用は不要な支出である。

山武ジャーナルがこの問題を初めて報じた際、この様な不正・不要な支出、つまり山武市が被っている損害は年間300万円を超えると試算した。

市民自治支援課によれば、ポスティングに変更することで200万円程度のコスト増が見込まれるとのことであるが、300万円の不正支出撲滅とのトレードオフと考えれば、妥当なものといえるのではないだろうか。

4月以降、広報さんむと議会だよりについて不正・不要な支出は解消されるが、選挙公報については選挙スケジュールの都合上これまで通り新聞折込で行うため、山武ジャーナルも引き続きこの問題について追及を行う。

齋藤昌秀市議と折込組合長齋藤逸朗氏との関係について

平成31年(令和元年)に山武市議会議員に選出された齋藤昌秀市議は、折込数水増しが指摘される(有)齋藤ニュースサービス・(有)齋藤新聞店代表で、山武市新聞折込組合長の齋藤逸朗氏の長男である。

齋藤昌秀氏は令和元年5月に山武ジャーナルのインタビューで、齋藤逸朗氏のいずれかの会社から給与を得ていることと、会社名義の乗用車を常用していることを認めている。

また、齋藤昌秀市議の議員名簿の住所と、(有)齋藤ニュースサービスの登記上の住所も同一であり、齋藤昌秀議員と齋藤逸朗氏は単なる戸籍上の親子関係の他に、業務上の利害を同一にする関係でもあることは明白である。

齋藤昌秀議員名簿(山武市議会議員名簿より)
(有)齋藤ニュースサービス登記情報

市議会議員の関わる企業が、市に対して水増し請求を常態として行っていたとなれば由々しき事態である。

他にも齋藤昌秀市議については、令和2年7月に政務活動費の不適切管理で問責決議が山武市議会によって可決されている。

また、令和元年に山武市を襲った台風被害にあった同僚議員に対し、知り合いの業者を紹介して5,000万円の修理見積もりを出させ、保険金が下りると「成功報酬」と称して1,200万円を請求したという事案も確認している。

この内1点だけでも十分に議員辞職にあたる事案といえるのではないだろうか。

齋藤昌秀市議については一日も早く自身の進退について決断を促すものである。

しかし、齋藤昌秀市議はtwitterで山武ジャーナルをブロックしており、このメッセージが本人に伝わるかは不明だ。