山武ジャーナル

さんむエコノミックガーデニング開発商品、第三者が商標登録出願

さんむエコノミックガーデニング(会長:大高衛)が開発に深く関与した、さんむ小林牧場(代表:小林将男)生産山武和牛肉を使った「山武和牛100%ソーセージ」が、第三者によって商標登録出願中であることが山武ジャーナルの調べで分かった。

商標登録出願したのは、福島県飯舘村で道の駅「いいたて村の道の駅までい館」を運営する「株式会社までいガーデンビレッジいいたて」(代表取締役:菅野典雄村長)で、現在「ENCOUNTER MADEIGYU」など、いずれもこのソーセージをパッケージ化した商品について3件が出願中。

山武和牛100%ソーセージについて、山武市のふるさと納税を扱う「ふるさとチョイス」では次のように説明されている。

福島第一原発事故の影響で、福島県飯舘村から「飯舘牛」とともに山武市に避難してきた畜産家・小林さん。
移住先の山武市内で育てた「飯舘牛」の血統を引き継ぐ「山武和牛」として、新たなスタートを迎えました。
「山武和牛」は、山武市内の穂が出て間もない稲を刈り取ってつくるホールクロップサイレージと酒粕を混ぜるなどして、飼料にこだわっています。
そのため、肉質は柔らかく、甘みのある牛肉となっています。
山武市の新しい特産品になる黒毛和牛「山武和牛」を100%使用したソーセージ。
ぜひご賞味ください。

ふるさとチョイス」より引用

上記の説明の通り、福島原子力災害で福島県飯舘村から牛とともに山武市に避難して来た小林牧場の牛肉を新たな山武市の特産品に育てようと、さんむエコノミックガーデニングのメンバーらが試行錯誤を重ねて製品化されたものである。製造元である横芝光町の「有限会社フードショップいちはら」(代表取締役社長:市原昌幸)には元々和牛100%ソーセージの製造実績はなく、当初の試作品は山武和牛の含有率の低いものだったが、エコノミックガーデニング会員らによる具体的な製造法の提案などを受け、最終的に現在の商品となった経緯を複数の関係者からの聞き取りによって確認している。

 

一方、いいたて村道の駅までい館は、福島県広報誌「つながるふくしまゆめだより2018年10月号」で次のように説明している。

「牛は帰れなくても、商品だけでも里帰りさせたい」と、今年4月にはいいたて村道の駅までい館と福島相双復興推進機構と共に、ソーセージを商品化しました。ソーセージはまでい館で限定販売しています。

つながるふくしまゆめだより2018年10月号」より引用

 

「いいたて村の道の駅までい館」フェイスブックより引用

この「ENCOUNTER」ソーセージについて、いいたて村道の駅までい館に問い合せたところ、製造元は山武和牛100%ソーセージを製造するフードショップいちはらであることが確認された。また、この商品の開発経緯については、福島相双復興推進機構を通じて小林将男氏を紹介され、小林牧場、フードショップいちはらと三者で進めたものとのことであった。

さらに、製造元のフードショップいちはらに問い合わせたところ、山武和牛100%ソーセージとENCOUNTERソーセージの中身は全く同じもので、形状、入数、パッケージのみが異なる商品であることが確認された。

 

さんむエコノミックガーデニングは市内商工業者などで構成される任意団体であるが、運営費用は100%山武市から拠出されている。つまり、山武和牛100%ソーセージの商品開発には間接的に公金が投入されており、その成果物を原材料生産者と製造業者の独断で第三者のオリジナル商品として商標登録までして販売することについて、今後各方面から問題が指摘されるのは必至の状況だ。