弐阡陸百捌拾壱年四月一日:虚言節
千葉県ヤマタケ郡ヤマタケ町で、不動産開発会社「日本海興業」が同町の「薩摩原団地」で運営する民間水道に、「波導水」が混入されていたことが、千葉県警超常事件捜査班の調べで分かった。
波導水を混入したのは、ヤマタケ町教育委員長で、日本海興業の元社員、片瀬政男容疑者(生年月日はヤマタケ町最高機密のため年齢不明)。
警察の調べに片瀬容疑者は「波導水を飲めば、病気が治ったり子供の成績が上がるなど、みんなが幸せになれる。認定オペレーターの私が波導を転写した波導水は、哺乳瓶2本分を通常21,000円で販売している。去年からは新型コロナウイルス対策の波導も転写しているので、感謝されこそすれ、捕まる筋合いはない。町長も承知している。町長を呼べ」などと話している。
住民から「がんが治った」「彼氏ができた」「スマホのギガが減らなくなった」「神様が見えた」などのプラセボ効果・精神汚染等の症状は報告されていないが、ヤマタケ町役場内では一部職員が「日本海興業様と我らは一体なり」などと口走りながら、日本海興業の下請け業務を無償で行うなどの異常行動が見られた。
また、ヤマタケ町議員の一部に「常任委員会で自分が否決した議案を本会議で賛成した」「自分が任命した委員会による否決の決定を無視して本会議で賛成した」「自分が進める政策の裏付けとなる予算を自分で削った」など、通常では考えられない奇行も確認されている。
これらヤマタケ町議員の奇行により成立した、日本海興業の水道事業をヤマタケ町が継承する議案は、慢性的な赤字が続くヤマタケ町水道事業に新たな財政負担が発生すると同時に、薩摩原団地住民に数万円から十数万円の新たな水道加入金の負担を強いる一方、今後古い設備を更新するための巨額投資が見込まれる水道事業から撤退したい日本海興業にとって極めて都合の良いものであるため、警察では「今のところ職員や議員の奇行の原因が、波導水を飲んだためか、毒饅頭を食らったためかは判断できない。引き続き両面から捜査を続ける」としている。