前文部科学省事務次官前川喜平氏の講演会に対する後援を、広島県教委と広島市教委が断った。
前川前次官講演広島県教委など後援断る「政権に批判的」毎日新聞2018年7月4日 11時24分(最終更新 7月4日 11時46分)
広島市で9月30日に開催予定の前川喜平・前文部科学事務次官による教育をテーマにした講演会について、広島県教委と広島市教委が後援申請を断っていたことが4日、分かった。県教委は「政府に対する批判的発言が目立ち、講演で触れる可能性が高い」、市教委は「教育行政の推進に支障をきたしかねない」としている。一方で、同県廿日市市教委は後援を受諾した。
講演会はNPO法人フリースクール木のねっこ(廿日市市)などが企画し、5月下旬に3教委に後援申請した。同NPOのホームページによると、講演会では不登校問題や憲法・道徳教育について前川氏とNPO法人フリースクール全国ネットワーク(東京)の代表理事らが対談する。
県教委によると、幹部による協議を踏まえ、「特定の宗教や政党を支持しないとする内部基準に適さない」として6月15日に申請を断った。広島市教委は「前川氏の講演会は複数の自治体で後援の判断が分かれており、積極的に後援できない」として今月3日に拒否した。一方、廿日市市教委は「目的が生涯学習の推進という事業に当てはまる」として後援を認めた。
前川氏の講演を巡っては、4月の講演会について山口県下関市教委が後援を断り、同じ日に予定された別の講演会で、北九州市教委が後援を認めるなど判断が割れている。【高山梓、東久保逸夫】
前川喜平氏といえば、加計学園の獣医学部設置認可の際、加計理事長と友人関係にある安部総理に対する「忖度」があったのではないかという、いわゆる加計問題で安倍政権を攻撃する野党と左派メディアから一時期引っ張りだこになった人物である。このところ流石にメディアでの露出は一時期と比べて大分少なくなったものの、このように地方での講演活動はかなり精力的に行っているようである。
そもそも、前川氏は法律で禁止されている国家公務員の天下りを斡旋したことで文部科学省を辞職した人物である。しかも、天下り斡旋の事実が明るみになってもなかなか辞職に応じなかったところ、たまたま警察が管理買春や反社会性力との関係などで内定調査をしていた風俗店に前川氏が出入りしていることが指摘され、ようやく辞職に応じたという、とても講演会で人前に出られる様な人物ではなく、事務次官という官庁の事務方トップの立場で、監督官庁の権限を傘にきて学校法人などに天下りを斡旋するなど、正に日本の教育行政を歪めてきた張本人が子供たちの前で教育問題を語るなど噴飯物も甚だしい。
この様な人物を安倍政権の攻撃材料として便利に利用しているのが野党と左派メディアだということはすでに述べたが、実際に過去の前川氏の講演会を検索すると、主催者側は各地の9条の会(共産党系)や、社民党系議員と関係の深い左派活動家などが大変多い事が確認できる。上に取り上げた今回広島県・市教委から後援を断られたNPO法人、また前川氏と対談予定とするNPO法人については、インターネット上などに政治的な活動の実態は確認できなかったものの、理事のブログなどには明らかに護憲など政治的意見は散見された。記事にある「不登校問題や憲法・道徳教育について前川氏とNPO法人フリースクール全国ネットワーク(東京)の代表理事らが対談」の内容も、推して知るべしといった所であろう。
さて、山武ジャーナル掲載のコラムとしては、少々長くなったがここまでが前置きである。
本来、どう見ても人前に立たせることすら憚られるような前川喜平氏に敢えて講演を依頼する様な団体には、反安倍政権、改憲反対といった共通の政治思想あるいは政治目的があり、不登校児をサポートするフリースクールを運営しているというこのNPO法人も、同様の政治的意図がある可能性は高いと思われる。
教職員の労働組合である日教組や全教が、旧社会党や日本共産党といった左派系であることは周知の事実であるが、この様に学校から一歩離れた教育現場にも左派勢力が大きな影響力を持っていることについて、これまであまり指摘されてこなかった。
例えば、「学童保育」という言葉が、実は共産党用語であるという指摘がある。
これを指摘しているのは元西宮市職員で参議院議員の杉田水脈氏である。
杉田氏によれば、「全国学童保育連絡協議会」は日本共産党系の団体で、各自治体は「放課後児童クラブ」とか「留守家庭育成センター」といったバラバラの名称を使用しているとのこと。また、建交労という日本共産党系の労働組合の中に「学童保育部会」が存在していることもその証左の一つであると考えられる。
放課後児童育成事業の全てが共産系とは言えないとしても、杉田氏の指摘を読めば空恐ろしい実態がかいま見られる。
もし、自分が働きに出ている間に良かれと思って子供を学童クラブに預けたら、その団体や指導員がゴリゴリの左翼思想にまみれたコミュニストばかりだったとしたら、こんなに恐ろしいことはない。上の杉田氏のページにもあるように、堺市の小学校の廊下に「アベ政治を許さない」という極めて政治的なメッセージを掲示したのは、実際学童保育の指導員だった。
なぜ山武ジャーナルが今回この問題を取り上げるのかというと、実は山武郡市内でも同じような事態がすでに進行しているからである。
日本共産党あるいは共産党系団体などと非常に親和性の高いある人物が、山武郡市内で相当数の学童クラブや、NPO法人に深く関わり、実質的な指導者の立場になっている実態がある。中でも山武市については、椎名前市長の時代、運営は市補助金などの公金投入が前提となる実質的な官製NPO法人設立の複数に、その人物が深く関与している。そして、そのようなNPO法人が今現在、児童の放課後の活動に関与している。
昭和45年生まれの拙筆の子供時代は、左翼思想の日教組先生がとても元気だった。
忘れもしない、小学校2年生の担任は今から思えばバリバリの左翼先生だった。
まず新学期早々、音楽の教科書の「君が代」のページに、白い紙をのりづけさせられる所から始まった。
国語の教科書に「スイミー」という話が掲載されていたが、なぜかその先生はいつまでたっても「スイミー」の授業ばかりで教科書が先に進まず、国語の時間だけでなく図工の時間にもスイミーの絵を書かされ、何の時間か失念したがクラス全体で劇までやらされた。
「スイミー」がどの様な話かご存じない方に簡単にあらすじを説明すると、海の中の小さな赤い魚の群れの中で一匹だけ黒い体の「スイミー」が、黒い体の自分が「目」の位置になって群全体で大きな魚の陣形で泳ぎ、マグロか何かの大きな魚から捕食されるのを免れたというものである。その日教組先生としては、一人一人はの力は小さくても団結することで大きな相手と戦えるという、「万国の労働者よ、団結せよ」というメッセージを小学2年生の子供に植え付けたかったのだろう。
今の御時世、日教組の組織率も年々低下し、父兄からもある程度厳しく監視される公教育の場で、教員の思想に基づく偏向教育は徐々に減少傾向にあるように思えるが、むしろ教育基本法の範疇ではない厚労省管轄の放課後活動の場が左翼的偏向教育の主戦場になりつつある、あるいはすでにそうなっているのではないだろうか。
少なくとも日本ではそれぞれ思想信条の自由が認められているので、教員や学童クラブの指導員個人がどの様な思想を持つのも自由である。文科省管轄の教員については教育基本法で政治的中立が義務付けられており、違反すれば懲戒の対象となる立場であるため、建前的には子供に思想教育を行うことは出来ないようになっている。しかし、厚労省管轄の学童クラブ等の指導員は教育基本法の範疇にない。実際に前出の堺市内の小学校に「アベ政治を許さない」という掲示をした指導員は、「自分は教員ではない」と開き直り、学校側によるビラ撤去にも抵抗したという。
山武ジャーナルで3年前に山武市の成東文化会館で行われた9条の会主催の「平和の集い」なる集会のレポートを掲載した。
共産党系市民団体「9条の会」の政治集会を自治体・教委・社協が後援
ここにあるように、平和の集会の実態は、しんぶん赤旗を堂々と掲示する共産党の政治集会だった。
実はここでは言及しなかったが、冒頭で行われた小学生の女の子の詩の朗読で、拙筆はこの集会そのものに対して明確な不快感を自覚した。
内容は「集団的自衛権を認めれば徴兵制になって日本は戦争の道に進むと」いう、日本共産党の主張そのままのもので、これを小学生が書いたとは到底考えられないものだったが、その子は350人収容のホールの舞台で、よそ行きの可愛い服を着て大勢の人の前に立つことに誇らしさすら感じている様に見受けられた。
なぜこの小学生がこの様な場所で朗読をすることになったのか、その背景は知る由もないが、仮に親自身が活動家であったとしても、判断力の育っていない子供に偏った思想を植え付ける左翼のやり口は、個人的には著しく嫌悪感を覚える。
学童保育に話題を戻す。
日本では個人の思想信条の自由が保証されており、学校の教員や学童クラブの指導員がどの様な政治信条を持つことも自由である。しかし、教育基本法で公教育には政治的中立が求められているため、もし教員が生徒を政治集会などに参加させるようなことがあれば法律に基づいて罰を受けることになるが、学童クラブが厚労省管轄で政治的中立が義務付けられていないことが何を意味しているかといえば、仮に学童クラブの遠足で「国会議事堂に行きますよ」といって、国会前のデモに子供たちが参加させられるようなことがあったとしても、問題にはなるとしてもその行為自体には罰則がないということである。
勿論、学童クラブのすべてが左派であるなどというつもりは毛頭ないが、学童クラブに子供を預けるのであれば、この様な実態や偏向教育に対する歯止めが無いリスクなどを十分に理解する必要があるだろう。
また、山武郡市における学童クラブやNPOの状況を是とするか否とするかの判断は、それぞれの住民に委ねられている。自分の子供が幼いうちから赤化されてゆくのを是とするか否とするかの判断は、父兄それぞれに委ねられている。
山武市においては思想的に偏った人物を徴用して教育現場にまで引き入れた前市長が退場したのを契機に、教育現場の健全化に期待すると同時に、子供を持つ父兄だけでなく市民それぞれが、子供たちに偏向教育が施されるリスクについて考えて頂きたいと願うものである。