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【独占インタビュー】大川議長と八角委員長に聞く調査特別委員会

【独占インタビュー】大川議長と八角委員長に聞く調査特別委員会

山武市議会は令和2年6月29日に招集された臨時議会において、会派市政会(会派長齋藤昌秀議員)の政務活動費について調査特別委員会を設置し、委員長に八角公二議員が指名された。

山武ジャーナルでは来る7月8日に開催される第1回調査特別委員会開催に先立つ7月6日、大川義男議長と八角公二委員長へ独占インタビューを実施した。

百条委員会見送りの経緯

山武ジャーナル(以下SJ)「まず初めに、この度設置されることとなった調査特別委員会について、どのような趣旨で実施されるのかお聞かせ下さい。」

大川義男山武市議会議長(以下大川議長)「6月16日に開催された議会全員協議会において、会派市政会の政務活動費の件について調査が必要だとして、地方自治法第100条第1項の規定に基づく調査権を有する調査特別員会を設置する事が決まりましたが、その後多くの議員の皆さんから『慎重に対応した方がいいのではないか』との意見が多数寄せられ、協議をして決めたことではありますが、私としてもその意見を受けまして、6月26日に再度全員協議会を開催そのいたしました。そこで議員の皆さんに今一度お諮りした結果、百条調査権は行使せず、通常の調査委員会を設置して調査することとなりました。その後6月29日に第1回臨時会が開かれ、政務活動費に関する調査特別委員会の設置が決まりました。今後は委員会で協議がなされます。」

SJ「6月16日の全員協議会では一旦百条委員会の設置が決まりましたが、その後百条ではない調査委員会となったのはどの様な理由からですか?」

大川議長「まず、『慎重に対応した方が良い』との意見が多かった。そこが一番ですね。」

SJ「具体的には?」

大川議長「本当に百条調査権が必要な案件なのか。通常の特別委員会でも十分事実確認、疑問点の整理等、調査は可能ではないか。そう言った様々な意見です。」

SJ「では、今回のこの(政務活動費着服の)問題については、百条委員会に値しないと判断された議員さんが多かったという事なのでしょうか?」

大川議長「それは、慎重に対応した方が良いと言う事です。」

SJ「では、今回設置される調査委員会の内容によっては、今後やはり百条でやった方が良いという事もあり得るのですか?」

大川議長「その事については特に決めておりませんので、今後委員会の中で、と感じております。とにかく慎重に対応という事です。」

調査特別委員会の具体的な調査内容

SJ「私はこの件について玉置議員から直接お話を伺って、山武ジャーナルに記事として公表させて頂いておりますが、これは大川議長、八角委員長、ご覧になられましたか?」

八角公二調査特別委員会委員長(以下八角委員長)「私は見ています」

大川議長「読まさせて頂いています。」

SJ「実はこの後齋藤議員にもお話を伺わなければと思って何度も電話を入れたのですが出て頂けず、メールにも返信が頂けない状態で、玉置議員のお話だけを一方的に聞いている状態なのですが、私が玉置議員のお話を聞く限りにおいて、大川議長が当初、この件について報告を受けた際に、「お金を返せば円満解決じゃないか」と玉置議員におっしゃったという事でしたが、そのあたりの経緯は実際どうだんたのでしょうか?」

大川議長「私は『円満解決』という言葉を使った記憶がありません。」

SJ「では、『円満解決』かどうかは別として、(齋藤議員が玉置議員に)お金を返せば、この問題は解決と判断された訳ですか?」

大川議長「事務局に提出した収支報告書通りにすれば良いと言う事です。」

SJ「収支報告書の内容と、実態が違っていたというのが、玉置議員の主張だと思うのですが」

大川議長「収支報告書が提出された訳ですから、それは玉置さんの主張ですから、わたしの方には入って来ません。」

SJ「私は玉置議員から、『収支報告書の内容と実際のお金の流れが違うので、訂正させて下さい。』と申し入れたと聞いているのですが、そう言った事はなかったですか?」

大川議長「そう言う事は事務局で話しています。」

SJ「では、議長は直接玉置議員とお話はしなかったと」

大川議長「玉置議員から直接はないです。」

SJ「すると、玉置議員の言ってる事が違うという事なのでしょうか?」

大川議長「それは、これから特別委員会が開かてますので、委員会で。」

SJ「では、八角委員長にお伺いしますが、今回の特別委員会のテーマは政務活動費の件ということですが、今の様に玉置議員と大川議長の仰っていることが食い違っているとか、齋藤議員と玉置議員の言う事が食い違っているとか、そういった事も特別委員会の中での調査の対象になるとお考えですか?」

八角委員長「今回は政務活動費の件ですので、使途が適切であったか、会計処理が適切であったか、それと山武ジャーナルさんに玉置議員が答えている内容が適切であったかどうかも含めて調査をしようと言う事で、8日から始まる調査委員会の方で明らかにしていきたいと考えています。」

SJ「すると、調査対象は齋藤議員と玉置議員だけでなく、大川議長も対象になると考えて良いですか?」

八角委員長「今の所は市政会が行った政務活動費の支出が適切だったのかと言う事と、山武ジャーナルさんで報道されたことが事実だったのかどうか点を精査しようと思っています。」

SJ「玉置議員の証言そのものが事実かどうかと言う所から調査を始めるということですね」

八角委員長「政務活動費は会派に支給されるものですので、会派として適切に使われたかと言う事も含めて調査しなければならないと思っています。山武ジャーナルさんの記事は見ておりますが、現段階では本人から直接お話は伺っておりませんので、中身については今の所は回答が出来ない状況です。」

SJ「第1回の委員会が7月8日との事ですが、どの様な内容になるとお考えですか? 具体的には、齋藤議員と玉置議員を呼んで、質疑応答等があるのかどうかとか」

八角委員長「そこは支出に関わることですから、領収書の確認から始まって本人から経緯も確認する必要もありますし、委員の皆さんからも聞きたい事があると思いますので、忌憚のないご意見を伺いながら精査していければと思っています。」

SJ「ではその進行次第によっては8日だけでなく、その後も継続という事もありえる訳ですね?」

八角委員長「そうですね」

台風被災者が受け取った保険金に対して1,200万円の支払いを要求した齋藤昌秀議員の倫理観について

SJ「次にもう1点伺いたいのですが、これは政務活動費の件と直接関係するかと言う所もあるのですが、齋藤昌秀議員に関しては山武ジャーナルでも若干触れているお話で、台風被災者の方の所に業者を伴い『見積りを作ります』と話を持ちかけ、保険金が下りると成功報酬として1,200万円を要求したと言う話があります。政務活動費の件はあくまで表面に出てきた話であって、根底にはこう言った問題もあるのではないかと考えているのですが、この件について議会、あるいは議員さんはご存知ですか?」

大川議長「その話は把握しておりません」

八角委員長「私は山武ジャーナルさんのネットの記事を見て、山武の市議会議員が台風の被害者に対して保険金を・・・と言う話でしたが、具体的でなく漠然としていますので、実際私も『市議会議員の中で誰がやったんだ』と照会されていますし、非常に迷惑と言っていいか分かりませんが、具体的に固有名詞まで挙げられるような取材報道をして頂ければありがたいと思っています。実際この事で迷惑だと考えている議員さんは沢山いると思います。」

SJ「私としても両当事者から直接お話は伺っていて、実名報道しても良いかとは大分前から考えていますが、これは山武ジャーナル以前に一山武市民として、この問題については議会の中での自浄作用に期待したいと考えております。実際にこれまで議会の中で、全員協議会の場などでこの話題は出ていないのですか? 議長、両当事者がその中にいたはずなのですが。」

大川議長「一度出ましたね」

SJ「八角委員長はその件について非常に迷惑だと仰っていましたが、議長はどの様にお考えですか?」

大川議長「私は政務調査費に関すること。政務調査費に関することを、まず第一にしたいと思っていました。」

SJ「政務活動費の問題ももちろんそうなのですが、この保険金の問題についても市民の信頼を著しく損なう、議員としての資質の問題だと思っておりまして、八角委員長が先程仰っていた様に、そう言う議員がいるのは迷惑だというのはすごく率直なご意見だと思いますが、この問題については議会としてこのままなのでしょうか? 齋藤議員に対して議員としての資質を問うような、そう言った動きは議会としてはないのでしょうか?」

八角委員長「議員の資質の問題、つまり倫理観の問題だと思いますが、今指摘された事は議会として十分把握しておりまして、次の議会あたりで議員の資質を高めていけるような倫理規定の様な物が出来ればと。今回の調査委員会も含めた中で議論していければ良いかと。この手の問題は今山武ジャーナルさんが指摘された通り、倫理観の欠落から発生していますので、今回の調査委員会は政務活動費の問題で、公金の取り扱い、税金ですからきちんと精査して、それと含めて倫理観の問題についても触れて、姿勢を正していければ良いと考えています。」

SJ「すると、今回の特別委員会の中でも、この問題についてもある程度のことはすると言うお考えもあるのですか?」

八角委員長「調査特別委員会は元々調査内容を定めて実施するもので、根底には倫理観という問題はあるのですが、会計処理のあり方や使い方についても当然議員の倫理観というものが影響しておりますし、今指摘された問題についても調査の中で精査して触れていければ良いかと考えております。」

SJ「現在、山武市議会には議員さんの倫理規定がないと言う事で、今後策定していくと言うお話でしたが、仮に9月議会以降にそう言った物が出来たとしても、齋藤議員の保険金の問題については事後法になってしまうので、折角作ったとしてもそれで対応するのは難しいのかなと思ったのですが。」

八角委員長「こちらに議長がおいでになりますが、それは議長の指導力だと思います。議長の方で議会をどうまとめて改革していくかと言う事で、まさしく議長の指導力が問われていると思います。」

SJ「今回の特別委員会は政務活動費の問題という事ですので、齋藤議員の保険金の問題については大川議長のリーダシップで進めて頂くと言う事ですが、今後大川議長はこの問題についてどの様にお考えですか?」

大川議長「今後それは様々に検討しなければ。今はコメントを控えます。」

SJ「問題意識としはお持ちなのですか?」

大川議長「とにかく、今日は政務活動費の事でここに来ていますから。これから様々に検討させて頂きます。」

調査特別委員会のあり方は?

SJ「今後の特別委員会の進め方ですが、8日については傍聴可能とアナウンスされていますが、今後も公開とお考えですか?」

八角委員長「8日は玉置議員、齋藤議員を呼んで経緯を聞きくのですが、調査、聞き取りの中で特段の問題がなければ、市議会としては出来るだけ早く決着したいと考えています。ですがまず意見を聞いてみないと、現時点では答えようがありません。」

SJ「これも調査してみなければ分からない事かもしれませんが、今回の件は玉置議員、齋藤議員共に不適切な事務があったのは間違いないように思えますが、その場合両議員に対して何らかの処分も考えられるのですか?」

八角委員長「適切な形で政務活動費の報告がなされたのか、使途が適切だったのか、その過程の中で法令に違反する事や職員に適用される服務規程に違反する事がなかったか、職員については処罰規定もありますし、議会のおいても罰則規定を設けておりますので、その中で照らしあわせて当委員会としても市民の皆さんからもご納得頂けるような調査結果を出したいと思います。」


*快くインタビューの応じて下さった大川議長、八角委員長並びに、日程の調整から会場設営までご協力頂いた議会事務局の職員の皆様に、心より御礼申し上げます。