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山武市のスリランカ人住民登録、前月比21人増で297人に。外国人全体では初の1000人超え

山武市のスリランカ人住民登録、前月比21人増で297人に。外国人全体では初の1000人超え

平成29年10月末日現在の山武市のスリランカ人住民登録が、前月から21人増の297人になったことが山武ジャーナルの調べで分かった。統計が公開されている平成25年4月の57人から、わずか4年半で実に5.2倍となっている。

また外国人全体の住民登録も1007人と初めて1000人の大台を超え、同じく平成25年4月の670人から337人の増加だが、この内の7割がスリランカ人の増加分である。

急増スリランカ人は「偽装難民」

山武市内に急増するスリランカ人の殆どが「偽装難民」であることは、これまでも指摘してきた。

平成22年の民主党政権下で行われた入管難民法の制度改正で、難民申請後半年を経過すれば、審査期間中は日本国内で事実上自由に就労出来る様になったことから、それまで年間1000人程度だった難民申請者数は平成28年では1万人を超え、平成29年は1月〜6月の速報値で8500人と前年を大幅に上回るペースで増加している。

これに対し法務省は、難民申請者の就労を大幅に規制する制度改正に、ようやく踏み切ろうとしている。

難民「偽装申請」防止へ新対策、就労を大幅制限 読売新聞2017年10月31日 07時08分

 就労目的の「偽装申請」が横行する日本の難民認定制度について、法務省は、申請6か月後から一律に日本での就労を許可する現在の運用を撤廃し、就労を大幅に制限する新たな運用を始める方針を決めた。

 早ければ11月中にも実施する。年間1万人を超す申請者の大半が就労できなくなるとみられ、急増する申請数の大幅な抑制が期待される。

 同省関係者によると、審査には平均約10か月かかっていたことから、新たな運用では、全ての難民申請者について申請2か月以内に「簡易審査」を行い、四つのカテゴリーに分類。「難民の可能性が高い申請者」については、6か月が経過しなくても、速やかに就労を許可する。同省幹部は、ここに分類される申請者は、全体の1%未満とみている。

関連記事;なぜ人口減少に苦しむ山武市で、スリランカ人住民だけが激増するのか?

 

山武市のスリランカ人問題はセカンドフェイズに移行か?

外国人が日本で正規に就労するには、入国管理局でその活動に応じた在留許可を得なければならない。いわゆる「ビザ」である。

しかし、日本は「原則的」に外国人の就労は認められていないので、就労できるのは特別な技能がある、日本人と同等以上の能力があるといった場合のみである。

一般的な日本の企業に外国人が就労する場合は「技術・人文知識・国際業務」、外国料理レストランの調理師は「技能」、外国人スポーツ選手「興業」といった在留資格を得る必要があるが、許可を得るには一定の条件を満たしている必要がある。

人文知識であれば一般的に日本または本国の大学か、少なくとも専門学校を卒業していなければならないし、調理師であれば10年以上の実務経験が必要である。

今回の制度変更で就労が認められなくなる偽装難民が、日本で合法的に就労を続けるには在留資格変更しか手段はないが、ブローカーに金を渡すなど安易な手段で来日した外国人に上記の様な条件をクリアできる者はごく一部と考えられ、時間ともにこれらの偽装難民問題は収束に向かうことが期待できるのだが、山武市の場合もっと複雑な状況に進みつつある。

これらは国税庁法人番号公表サイトの検索結果である。

山武市内にスリランカ人住民が急増した時期と同じく、平成27年から29年にかけて、山武市内にスリランカ国の日本法人と外国人経営者と思われる合同会社が急増している。

ケース1:鉄筋3階建て30室規模のアパートに、スリランカ企業の日本法人と外国資本と思われる企業が集中して登記されている。
ケース2:築40年以上と思われる長屋に全て外国資本の企業が登記されている。
ケース3:バブル期に開発された30個程度のいわゆる「ニュータウン」に、集中的に外国資本の企業が登記されている。

 

ここには特に特徴的なものを示した。

ケース1と2は、同じ集合住宅に集中的に外国人企業が登記されているもの。

ケース1の物件は不動産サイトなどによれば賃料は月額2万円台と推測される。ケース2の物件については確認できなかったが、外観などから同程度かそれ以下と思われる。

これらの企業の経営実態は不明であるが、ひとつ言えることは法人があれば「投資・経営」ビザの申請が可能になる。

投資経営ビザが就労可能な技術や技能系のビザと大きく違うところが、審査で問われるのは申請者の技能や経歴ではなく、法人としての要件であることだ。これならが特別な技能や学歴がなく偽装難民として来日した外国人であっても、難民申請期間中の就労で稼いだ資金で日本国内に会社を設立するか、本国の企業の日本法人を設立して取締役に納まれば、在留資格を変更して合法的に日本国内で事業活動を行うことが可能となる。

合同会社であれば手数料を除けば設立に必要な費用は6万円程度であり、家賃2万円〜3万円で住居兼事務所となるアパートを契約できれば、高額な授業料で何年も日本語学校や大学に通ったり、本国の一流店で10年修行しなくとも、日本で就業(事業活動)可能なビザを取得することが出来るのである。

山武市に急増したスリランカ人偽装難民が、制度改正で就労が制限されるようになればこの流れは急速に加速することが予想される。

そうなった時のモデルケースとなりそうなのがケース3である。

この場所はバブル期に開発された、いわゆるニュータウンと呼ばれるような住宅地で、築20年ほどの戸建住宅が30戸ほど集まっている。

ケース1と2が一つの集合住宅の各部屋に外国企業が登記されていたのに対し、この場所では戸建住宅に一つないし二つの外国企業が登記されている。これらの企業が登記された時期は平成27年から29年にかけてであることから、短期間に一つの住宅地が外国企業によって侵食されて行く様子が見て取れる。

山武市内にはここ以外にも似たような住宅地が無数にあるが、新築で購入した世帯のライフスタイルの変化などで空き家となっている物件も多く、50坪前後の2階建て戸建中古住宅が500万円以下で取引されているケースも珍しくない。

この様に偽装難民として来日したスリランカ人は確実に山武市に根付きつつあり、入管難民制度が改正されてもこの流れが変わらない可能性も十分に考えられ、将来的には山武市内にスリランカ人街が点々とする様な事態となることも懸念される。もしそのような状況になれば、市民は彼らが良き隣人であることを祈るしかないだろう。