山武市議会は12月12日、議会運営委員会において椎名市長の学歴問題の百条委員会設置の陳情を不採択とした。
判断の争点は、当時フランスの大学において4年目の課程で、現在の修士課程1年目の過程に相当する「メトリーズ」を日本の「修士号」として経歴に記載することの妥当性についてに絞られ、有識者の見解や椎名市長が議会で配布したフランス大使館のオピニオンレターなどから、妥当性があり学歴詐称とはいえないとの結論となった。
山武ジャーナルが8月29日から報じてきたこの問題は、市政の監視機関である議会による追及の道が事実上閉ざされたことで一定の決着が図られたという見方がある一方、椎名市長のかたる「経済学修士」は、大学4年の課程で修士論文も書かずに貰える学部卒業の「修士(メトリーズ)」であり、大学4年の学部卒業の後に大学院に2年間通い、修士論文を書いて考査に合格してはじめて授与される日本の学位制度における「修士」とは異質のものであったことが明白となり、旧成東町3期12年、山武市3期12年の計24年に渡り君臨した椎名千収氏の虚像は打ち砕かれと評価する声も聞かれる。
今議会では「メトリーズ」を日本で「修士」と名乗ることの妥当性についてのみ議論されたが、なぜ椎名市長は証明書の再発行を頑なに拒むのか、「唯一の証明書」と提出した書面の一部に誤訳を加えたのかといった問題については言及されなかった。
また、国家が学位授与権を独占するフランスにおいて、海外での学位証明の発行機関は大使館ではなく、今回椎名市長が示したフランス大使館大学交流担当官のオピニオンレターが椎名市長個人の学位証明にはなり得ない。
百条委員会の設置は見送られたものの、今議会での追求によって椎名市長の学歴詐称疑惑は更に濃厚になったといえるのではないだろうか。
一方で、椎名市長は今議会において来年4月の山武市長選に出馬しない旨を表明している。