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小中学校統廃合基本計画書に矛盾点。嘉瀬教育長は「整合性はとれている」と強弁


市内小中学校の統廃合を進める山武市教育委員会が、平成28年9月に策定した「山武市立小中学校の規模適正化・適正配置基本計画」に矛盾点があることが、平成29年6月13日の山武市議会定例会における八角公二市議の一般質問で明らかとなった。

矛盾点があったのは成東中学校と成東東中学校の統合についての記述で、同計画書3ページには2校の統合後の位置は「成東東中学校」と成東中学校を閉校して成東東中学校に統合することが決定事項として記述されているのに対し、12ページには「現成東東中学校を学校位置として検討しています。」と、成東中閉校が検討事項として記述されている。

基本計画書3ページ記述
基本計画書12ページ記述
基本計画のサムネイル
山武市小中学校規模適正化・適正配置基本計画

この八角市議の指摘に対し、嘉瀬尚男教育長は「整合性はとれている」と強弁した。

また、八角市議の「(成東中学校の廃校が予定であって決定でないのであれば)計画書から削除するべきではないか」との指摘に対して、嘉瀬教育長は「削除する考えはない」と答弁した。

山武市教育委員会は平成26年の「あり方検討委員会」設置から2年を要してこの基本計画を策定しているが、この様な重大な矛盾点を残したまま教育委員会会議において正式に議決したことは、教育行政の事務を司る教育長の致命的な責任である。さらに、内容の瑕疵を指摘されても修正を行わないのは、教育長たる資質を著しく欠く姿勢である。

成東中閉校をあいまいにするのは、平成30年の市長選対策か?

市中心部で特急停車駅のJR成東駅至近の成東中学校を閉校とすることに対しては、多くの市民から疑問や反対の声が上がっているが、同基本計画が教育委員会によって正式に議決し、平成37年の前期計画で成東中学校が閉校となることが決定した後も、市内には「椎名市長が『成東中は閉校しない』と言っていた」という噂話がまことしやかに囁かれている。

しかし、椎名市長は八角市議の質問に対して「成東中学校閉校について市民の方から質問されることは極稀で、質問されても八角議員に対する回答と同じ回答(成東中学校を閉校し、成東東中に統合する)をしている」と答弁している。

椎名市長がこの様に議会ではっきりと答弁した以上、「成東中学校は閉校しない」という噂話はフェイクであることが確認された。

すると、このフェイクニュースの出処が問題となるが、取材の結果その出処は椎名市長自身である可能性が限りなく濃厚である。

そもそも椎名市長は山武市合併後初の市長選で、「このまま(対立候補の古谷前松尾町長が当選したら)では成東病院(現さんむ医療センター)がなくなります。私が成東病院を守ります」という嘘の情報=「フェイク」によって当選した人物である。

また、昨年も自ら取材に応じた千葉日報の記事が「事実でない」と議会で発言したが、山武ジャーナルの取材と検証の結果、千葉日報の記事が事実と異なるとは認められず、椎名市長が議会で虚偽答弁を行ったと判断される事案も発生している。

椎名千収山武市長、議会本会議で虚偽答弁。千葉日報記事「事実でない」

椎名市長が「成東中は閉校しない」と発言したという情報も、取材により信憑性の高い証言を得られている。

このように椎名市長は戦略的にも咄嗟の対応にも平気で嘘をつける人物であることがわかるが、山武ジャーナルに対して「成東中の閉校は教育委員会ではなく私が決めた」と言い切った椎名市長が、なぜ市民に「成東中は閉校しない」などという思ってもいない嘘の説明をするのか、理由は明確ではないだろうか。

成東中学校閉校は椎名千収市長の方針であることが明らかに

成東中学校区は市の中心部であり、大票田でもある。

地元の伝統ある中学校を閉校することに対して多くの住民は反発しており、このまま来年4月の市長選を迎えるのは得策でないと判断すれば、椎名市長得意のフェイク情報で「椎名市長が再選すれば成東中は閉校しないで済みそうだ」という間違った世論を形成する戦術をとっている可能性は否定出来ない。

教育委員会が決定した成東中学校閉校の方針は、椎名市長の強い意向が反映された結果であることを改めてここに確認しておきたい。