【政策】人口減少の何が問題なのか?

今回山武市で実施される3つの選挙、市長選、市議補選、県会補選で、私を含むほとんどの候補者が、山武市の人口減少の問題を訴えています。

しかし、なぜ人口が減少するのが問題なのかということを説明している候補者は(私を含めて)、いないのではないでしょうか。

よく、人口減少が地域経済の疲弊を招いているという論調がありますが、これは正しくもあり、正しくありません。

もちろん、人口が増えれば経済成長に帰依することはほぼ間違いないのですが、人口増加がなくても一人あたりの生産性を向上させれば経済成長は可能です。事実、日本の人口は平成22年から減少に転じていますが、実質GDPは492兆円から平成28年まで524兆円に増加しています。

山武市の財政は、およそ210億円の一般会計予算に対して、山武市が直接徴収できる市税などの自主財源は55億円程度で、国や県からの交付金に依存する体質であることは間違いありません。そのうち予め使途が決められている国庫支出金は別にして、地方自治体間の財政の不均衡を是正するために支給される地方交付税交付金の算定は、人口が減少すれば低くなる計算になります。

したがって人口減少をこのまま放置すれば、山武市の歳入も減少傾向となり、その結果は恐らく福祉、教育などの公共サービス低下に繋がっていくと考えられますので、人口減少対策は急務であることが分かります。

合併後12年で8,000人もの人口が失われる間、それに対して何ら対策を講じてこなかった市長の責任は重大なのは間違いありませんが、選挙区選出の県議会議員も同様です。

 

さて、ここまでお読み頂いてお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、人口減少が交付税額の減少に繋がり、公共サービスの維持が難しくなっていくことが問題だというなら、交付税以外に市の歳入増を図るという全く別の解、つまり人口が減っても一人あたりの所得や市内企業の利益が増加することで、市税の収入増を図るという選択もあるのです。

もちろん、山武市の基幹産業である農業は、人間が生きるためにもっとも重要な食料の生産を担う重要な産業でありながら、高級フルーツの生産や観光農園など特殊な例を除けば、俄に生産性の向上を図ることは難しいのも事実です。食料自給率の確保は国の安全保障にも繋がる全国民にとって重大事であり、農業生産地域が国富の再分配=地方交付税交付金の増加を求めることは、誰にはばかるものではありません。

したがって、今山武市が急激な人口減少に歯止めをかけ、地方交付税を確保しようとすることは、最優先課題の一つであることは私も認めるところですが、ただ闇雲に思いつきの様な施策に対して無駄に税金を投入するのは間違いです。

人口減少対策は、将来の山武市を少しでも豊かな自治体として存続させるための「手段」の一つであって、「目的」ではないのです。

私も含め、選挙期間中有権者の皆様は「人口減少」「人口減少」という各候補者の言葉を聞き飽きてしまうかもしれませんが、是非その問題の本質をご理解頂ければと思います。